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仮住まい

hirayamakunのゲーム専用blog

ランクマッチを受け入れるその日まで

ゲーム 格ゲー オンライン対戦

相変わらず格闘ゲームに励む週末。調子が悪いというか、レベルの高いプレイヤーが多くなってしまった『ウル4』はいったんお休み。比較的、新規プレイヤーが多い(と感じる)『GG Xrd』に集中した。結果は順調で、ランクマッチは八段に到達。負けこむことは少なく、これから辛くなってくるという印象。これまで何タイトルかのランクマッチを体験してきたが、共通する又は独自の問題も当然出てくる。メモ代わりにここに記していこうと思う。

 

そもそもランクマッチとはなんなのか

ランクマッチとはオンライン対戦の一つ。勝敗によって成績がセーブされ、それに見合った数値や段位が決定することで、プレイヤーの強さを客観的にするものと言えばいいのだろうか。『ウル4』は数値で表されるもので、PPと呼ばれる値が該当する。これとは別にキャラクターごとの経験値を意味するBPもある。勝てば増えて、負ければ減る。格上に勝てば、若干多めに増えるし、負けた場合は減りは緩い。基本的にはこの数値が高ければ高いほど強い。『Xrd』の場合は段位が設定されている。入門からはじまり、7級から1級、その次は初段から20段(?)まで更に続いていく。
ランクマッチで相手を探す時には、同じ実力帯の人を優先に検索するのが一般的なオンライン対戦(ネット対戦⇒略して熱帯)のシステムだろう。検索には他にも「国籍」「回線速度」「ラウンド数の指定」「プラットフォーム」といった細かい設定にも条件がつけられる。
この反対で、勝敗が成績に関係しないのがプレイヤーマッチ。厳密に言えば、勝率などがランクマッチの検索に干渉するものもあるが、基本はひたすら対戦したい人向けのシステムと言える。ロビーと呼ばれる部屋を作り、そこに複数のプレイヤーが集まって、ゲーセンのように延々と対戦できる仕様が一般的だ。

 

ランクマッチの課題

では、ランクマッチの問題点とは何か。まず成績がつく故の義務化が挙げられる。段位を気にするあまり、対戦を心から楽しめなくなってしまうというパターンだ。また、ランクマッチは多くの人がプレーしていると、再戦を申し込むことがむずかしい。負けてもリターンマッチすら挑めず、次の相手を探す。そしてまた負けて次の新たな相手・・・という風に、対戦こそ出来るが、どうも味気ない雰囲気になる。プレイヤーマッチやロビーを開いて対戦していると、ゲーセンで遊んでいるような気持ちに近くなるのだが、ランクマッチにはこれはない。


PPが下がったり、段位が降格すると、悔しいという気持ちよりも降格したという事実にゲンナリしてしまうのも大きい。少し時間を置けば忘れる程度のストレスなのだが、実際に遊んでいる最中は辛い。「こんなゲームにマジになっちゃってどうするの」というのは、大抵外野から見た意見だ。正論だが、納得できない。ランクマッチに負けると、そんな意地を見せてしまうのが自分でも辛い。
他のゲームにもこれは共通する。たとえば音ゲー。『beatmania IIDX』ではクリアした曲にランプが点く。ランプには種類があり、普通のクリア、詳しくは省くが、条件が厳しい状態でクリアした時に点くもの、ノーミス(フルコンボ)でクリアした時のものなど多彩だ。もちろんノーミスのランプがもっとも価値のあるものとされている。そして、そのランプを狙うが故に作業的にその曲をプレーしてしまうというものだ。達成した時は気持ちよいが、殆どがそうはいかない。

格ゲーのランクマッチは人間が相手なので、余計にやり場のないストレスがこみ上げる。キャラのせいにしたり、相手を「詐称だ」と罵ったりすることも珍しくない。気軽に対戦したければ、プレイヤーマッチなど、勝敗した事実だけが残るモードをやるのが一番だろう。しかし、競争の気持ちよさはゲームの基本でもある。人間の脆さを刺激し、悩ませるのがランクマッチだ。

ランクマッチはもともと未経験者の人にも優しいようにグループ分けする役割を兼ねていた。しかし、現在はサブアカウントの概念もあるため、経験者がまっさらのステータスでランクマッチに挑むことも容易になっている。また、『ウル4』も『Xrd』もランクマッチをはじめた時はPP0(入門)から、つまり初心者も上級者も同じステータスで始まるため、上級者が見合った地位に行く過程で初心者をボコボコにしてしまい、やる気を削いでしまうのも深刻だ。『Xrd』のランクマッチは特にそれが顕著で、申し訳なさすら感じた。
他ジャンルだが、『popn'music』のオンライン対戦は最初の5プレー分あたりまでは、任意のレベル帯を選択出来る。6回目以降は成績に準じて上下する仕様だ。格ゲーでもこれを採用すれば・・・と思うが、自分の強さを客観的に見るのは難しい。音ゲーの場合は、「クリアできる曲のレベル」が目安としてあるため、可能な仕様とも言える。

ランクマッチを楽しむには

持論だが、格ゲーは負けを楽しむゲームだと思っている。ランクマッチを楽しむには、まず対戦そのものに慣れないと駄目だ。そして対戦とは、負けることである。常に格上に弄ばれてしまうのが常とすら考えてもいいかもしれない。ゲーセンで乱入された時も、オンライン対戦でマッチングした時も、相手は自分より上手いという先入観を持って戦っている。気持ちが下がっていて勝てるはずもない、という意見もあるだろうが、そう考えて動きが雑になってしまうことって、意外とない。なんだかんだで自分の持てる立ち回りを駆使してしまうものだ。こうすることで勝ちに拘り「すぎる」自分を制するのである。
そしてもっとも重要なことは、負けてブツブツ文句を垂れることこそ格ゲーの嗜みである。ネットが普及しすぎた現在、ヘイトを共有するのが当たり前になり、コミュニティを築くレベルにまで至っているが、これと愚痴は違うということを自分は力説していきたい。強キャラに対して「呆れた」「クソゲーだわ」と言うことは多々あるが、それがゲームやプレイヤーを否定していることではない。嫌だったら自分もそのキャラを使えばいいのだから。

自分が格ゲーの「対戦」をやり始めて、およそ12年ほど。当初は嗚咽や絶叫も珍しくなかったが、いつからか、これこそ格ゲーを楽しんでいるんだと自覚するようになった。ランクマッチは成績がつく故に、過剰に競争心を煽る。格下に負けたり、昇格がかかっている試合に負けると、確かに悔しい。
悔しさをバネにしろ、と自分は言えない。むしろ、悔しさを自分なりに表現してみれば良いと思う。ネット上でボソッとつぶやく「あのキャラつれーわー、俺弱キャラだわー」、「あの連携は酷いわー」などなど。昔からあったこの手の愚痴に、「ランクマッチで低段から抜けれねーわ」が追加されただけだと考えれば良い。低段位にも価値があるのだ。だからといって、初心者狩りを推奨しているわけではない。延々と初心者部屋にこもっての狩りなど、プレイヤーのモラルに左右される問題があるのは主張しておきたい。

格ゲーへの理解が大前提?

格ゲー未経験者に「負けを楽しめ」というのは流石にハードルが高い。そして新規の人ほど、勝敗が全てだと思ってしまう。負けるとその場で退場。一人で遊んでいるところに乱入されて、いいようにボコボコにされて、はいさようなら。これは確かに厳しい。ランクマッチの問題を語る時も、やがて対戦そのもののそれに、そしていつの間にか初心者視点で話がシフトしがちだ。だが、ここは似たようで異なる問題だと思う。

 

最近の格ゲー、特に家庭用には「チャレンジモード」などの形で基本的な操作を練習させる工夫がある。基本的なコンボやコマンド技をやらせるもので、だんだん難易度が上がっていくというものだ。しかし、コンボや操作と「立ち回り」は違う。後者は経験によって培われるものがあるのは事実だろう。安易に飛び込む、技を不用意に振る、ガードをしない・・・この辺は経験を積まないと悪手だとすら気付けない。そしてプレイヤーの9割はここで脱落していくとも言われている。残った1割がやればいい、という意見も最もだ。しかし、それが現在の排他的な格ゲー世界を作っているのも事実。

個人的には「動画勢」と呼ばれる(自分だってそうです)人たちが増えただけでも凄いことだと思うので、なんとかなるかも、と思わないでもない。身も蓋もないが、最終的にスポーツのように「観戦するゲーム」になっていくのも悪くないと思う。「動画勢はお上手ですね」というお決まりの皮肉も、親しみやすいミームとして流行する日が来ることを願う。

 

 

話が大幅に逸れてしまったが、ランクマッチはまだ「勝者こそ正義」という認識に基づいて機能している。嫌なら避けてプレマしてろと言われればそれまでだ。だが、「自分の中に譲れないものがあって、それとランクマッチ(または対戦そのもの)の間で摩擦を起こすのが楽しいんですよ」という考えが広まってくれることを願う。